こんにちは!kokingです。
この記事のテーマは【雑草を抜かないメリット】です。
一般的に雑草は、 作物の成長を妨げたり、 与えた肥料を吸い取ってしまうという考え方から徹底的に取り除かれてしまいます。
しかし、自然農法ではなるべく雑草は抜きません。雑草を生やして植物とうまく共存させることで、作物に利益をもたらしてくれるからです。
ここからはそんな【自然農法で草を抜かないメリット】 と 【雑草と作物を共存させる方法】について詳しく解説していきます。
この記事でわかること
- 自然農法で雑草を抜かないメリットとは
- 雑草と作物を共存させる方
- 雑草を抜かないメリット
目次
雑草を抜かないメリット
土壌微生物や土壌微生物が増える
雑草を抜かないことで、 土壌微生物や土壌動物が増えるというメリットがあります。
土壌微生物や土壌動物は土の中に住む小さな生き物のことで、これらは植物が成長するためには欠かせない存在です。
土壌微生物や土壌動物が土の中にバランス良くいることで、植物が病気に強くなる、土が団粒化構造になる、有機物が分解される、植物に栄養が行き渡るなどの効果が期待できます。
森林などの自然界には、土壌微生物が土壌1グラムにつき約100~1000万いると言われています。
この土壌微生物や土壌動物の餌となるのが、植物の根っこから排出される糖や枯れ草などの有機物です。
そのため雑草を抜かずに生やしておくことで、自然と土壌動物や土壌微生物が増えていきます。
土が柔らかくなる
雑草を抜かない2つ目のメリットは、土が柔らかくなることです。
雑草の生命力はとても強く、耕していない土でも根を地中深くまで掘り進めます。雑草の根が地中に張り巡らすことで、枯れて根っこが分解さらたときに土の中に隙間ができ、 自然と土が柔らかくなるという考えです。
また、 雑草を生やしておくことで土壌動物・土壌微生物が増え、土が団粒構造になりやすくなります。
団粒構造とは、 小さな土の粒が集まり小さな塊となり、土の中に適度な隙間ができた構造のことです。
土が団粒構造になれば、 耕さなくてもふかふかな土をキープできます。
土が豊かになる
「雑草は栄養分を奪ってしまうから邪魔」というのが一般な常識だと思います。しかし長期的に見れば雑草を生やすことで逆に土が豊かになると 言われています。
植物の成長に必要な栄養は雨などによって流亡します。 作物に肥料を与えても雨などによっていずれは流れてしまうわけです。
そこで雑草を生やすことでこの栄養分の流亡を防ぐことができます。 雑草が栄養分を吸収し枯れて土に戻れば栄養はもとに戻ります。 自然界ではこうした栄養のサイクルによって栄養分が流れ出てしまうことを防いでいます。
また、 雑草を生やしておくことで土壌微生物や土壌動物が増え、 枯れ草 などの分解が早まり腐食が増え土が豊かになります。
暑さ寒さ乾燥を防ぐ
枯れた雑草が土のカバーとなり乾燥や寒さ暑さから植物を守ります。
益虫が増える
雑草を生やしておくことで得られるメリットとして益虫が増えると言うのもあります。
草がたくさん生えている所には自然と虫がたくさん集まってきます。 作物に悪さをする虫や、 それらを食べる虫もいますが、これらが共存することでバランスが保てます。
雑草を生やしておくことで益虫の住処ができ、 害虫などの予防にもつながります。
植物それぞれの役割について
雑草を生やすメリットを解説してきました。 紹介したメリットの他にも、それぞれの雑草がもたらしてくれるメリットもあります。
「すぎな」を例に説明します。
スギナは繁殖力が強く、根を地中深くまで張るので厄介な雑草として有名ですが、実は土を酸性からアルカリ性に変えるという性質を持っています。 スギナは酸性で痩せている土地を好み、葉っぱは強アルカリ性です。 スギナが枯れて土に戻ることで酸性からアルカリ性に変わります。 酸性な土壌を好むのにもかかわらず、 自ら土をアルカリ性に変えている。 不思議な話ですが 、スギナは土をアルカリ性に変えるために生えてくるのではないかといわれています。
このように植物には生えてくる理由役割が あるわけです。
自然界では このような植物が 共存して成長していることで自然にバランスが保てています。
雑草を抜かずに作物を育てる具体的な方法とは
ここまで雑草 を抜かないメリットを解説してきました。 しかし本当に雑草を抜かずに作物を育てられるのかと疑問に思う方もいると思います。 ここからは 自然農法ではどのようにして雑草を抜かずに作物を育てるのかその具体的な方法について解説したいと思います。
草は抜かずに刈る
自然農法では雑草は抜きませんが、全く管理をしないと言うわけではありません。 雑草は草勢がとても強く、放っておけばすぐに巨大化してしまい、作物の成長に影響が出てしまいます。そこで自然農法では「雑草は抜かずに刈る」ようにしています。
雑草を抜かずに刈ることで根っこはそのまま土の中に残すことができます。 また、刈り取った草はそのまま地面にかぶせておきます。 こうすることで自然に分解され土に戻り栄養になるわけです。
雑草の勢いが強い時は根本から刈り取ることで生えてくるのを抑えます。
このように 草を抜かずに刈ることで、 腐食が増え 地がどんどん豊かになっていきます。
はやす草と生やさない草
自然農法では草を抜きませんが中には植物に悪影響 をもたらす雑草があります。 そのような草が生えてきた場合は抜く場合もあります。
ササ等はアレロパシーを出し、 作物の成長を妨げる 危険性があるので残さないようにします。 その他にも成長が早い雑草など残しません。
はやす草と生やさない草をしっかり見極めることが重要になります。
雑草が少ない場合は緑肥植物を使う
雑草があまりにも少ない場合や雑草を生やして家はいけない市民農園などでは緑肥植物や野菜を 使います。
ソルガムやライ麦 などの緑植物は草マルチに使えます。
雑草を生やしてはいけない市民農園などではカラシナ などを 空いている場所に 種をまく方法もあります。
また観賞用のマリーゴールド 等と一緒に植えると虫除けになるとも言われています。
このように状況によって緑肥などを使い分けるのも1つの方法です。