ズッキーニは炒め物や煮込み料理など幅広く使える万能野菜。そのズッキーニからタネを採る方法をご存知でしょうか?
この記事では、ズッキーニの自家採種を初めて行う方でも分かりやすく実践できるよう、栽培のコツから収穫・追熟・乾燥・保存まで、ステップごとに詳しく解説します。
目次
ズッキーニの種採りの概要
- 種採りの時期:7月下旬〜9月頃(地域によっては10月も可)
- 採種に向く実:開花から55日以上経過し、皮が硬くなり色づいてきた完熟果
- 採れる種の量:1本から200〜300粒ほど(品種によっては300粒以上も可)
- 向いている品種:固定種(F1品種は避けましょう)
- ブラックビューティー:深い緑色の果皮で、形も味もおなじみ。
- ゴールドラッシュ:鮮やかな黄色が特徴。実がやわらかくサラダにも◎。
- コスタータロマネスコ:イタリアの伝統品種。ストライプ模様としっかりした果肉が魅力。
ズッキーニの種採りのポイント
交雑を防ぐのがポイント
ズッキーニは他家受粉100%の植物のため、ほかのズッキーニ品種やペポカボチャ類と近距離で栽培すると、簡単に交雑してしまいます。翌年思いもよらない形や味の実ができてしまうこともあるため、確実に純粋な品種の種を採りたい場合は、人工授粉で確実に交配を管理しましょう。
固定種を使うこと
F1品種(交配種)ではなく固定種を選ぶことで、翌年も安定した性質のズッキーニを育てることができます。ブラックビューティーやゴールドラッシュ、コスタータロマネスコなど、家庭菜園でも育てやすい固定種がおすすめです。
ズッキーニの種採り手順
1. 栽培準備と育て方
ズッキーニは乾燥気味の気候を好むため、梅雨時の湿気や根腐れには要注意です。 水はけの悪い畑では、高畝にするなど工夫します。
2. 受粉の準備と人工授粉
ズッキーニは他家受粉100%の植物であり、香りが少なく虫による受粉が起きにくいため、同品種を3株以上隣接して植えることが推奨されます。確実に種を採るには人工授粉が効果的です。
人工授粉の方法
夕方に翌朝開きそうな雌花を確認し、果樹袋をかけて虫除け対策をし、赤い毛糸で目印をつけておきます。翌朝6〜7時に雄花の花粉を柱頭にまんべんなくつけて授粉させ、授粉後はすぐに白い袋をかけて雨・虫の侵入を防ぎます。毛糸は果実の成長に備えて緩めに巻きましょう。
3. 採種果の選定と育成
ズッキーニは、花が咲いてから2〜3週間で果実は大きくなりますが、実の見た目に反して、タネの成熟には55日以上が必要です。つまり、早い段階で種取り用の果実を決め、株の元気があるうちにしっかり完熟させておくことが大切です。
開花後55日以上経過しないとタネは成熟しません。暑さで株が弱る前に、種取り用の果実を早めに決めて1〜2個に絞って育ててください。完熟果は2kg近くに成長し、皮も非常に硬くなります。
4. 追熟と収穫
収穫後は直射日光の当たらない風通しの良い場所で2週間以上追熟させると、タネの発芽力がぐっと高まります。ズッキーニはカボチャの仲間で、乾燥に強く、保存性も抜群です。
開花から55日以上経過した採種果をハサミで付け根から切って収穫し、風通しの良い日陰にて2週間以上追熟させます。追熟によりタネに厚みと発芽力が備わります。
5. 追肥は禁止
採種果がついた後は追肥をしないことが大切です。特に米ぬかなどの窒素系追肥は実の腐敗を招くため、注意しましょう。
6. 果実の解体と種の取り出し
果実の端に包丁を入れ、縦にも切り込みを入れて手で裂きます。中央から少しずらして切ることで種を傷つけずに取り出せます。
7. 種の洗浄
ワタを手で取り除いた後、目の細かいネットに入れてもみ洗いし、透明な水になるまで2〜3回繰り返します。10分以内で終えるのが理想です。
8. 種の乾燥
9月〜11月の晴れた午前中に洗った種をネットに入れて吊るし、直射日光で半日乾燥させましょう。天気が悪い日は扇風機を活用します。乾いてきたらくっつかないようにほぐし、雨が当たらない風通しの良い場所で1か月陰干ししてください。脱水時はネットごと振り回し、タオルで水分を拭き取ると効率的です。
9. 種の選別
水に浮かべて、浮いた種(厚みがあり発芽力が高いとされる)を選別します。沈んだ種でも形がしっかりしていれば使用可能です。
10. 種の保存
乾いた種を紙封筒に入れ、乾燥剤とともに密閉できるビニール袋に入れて冷暗所で保存します。適切な保存環境を保てば3〜5年間発芽力を維持できます。
ズッキーニの自家採種Q&A
Q. 浮いた種と沈んだ種、どちらが良い?
A. 一般的には浮いた種が良いとされていますが、沈んでいても中身がしっかり詰まっていれば問題ないこともあります。
Q. 他の品種と交雑していたら?
A. かぼちゃなど他のペポカボチャ類と交雑していた場合、来年育つ実の形や味が異なる可能性があります。人工授粉や距離を保つ工夫が必要です。
Q. 種の保存期間は?
A. 低湿度・冷暗所で保管すれば、2〜3年は十分持ちます。発芽率を保つには毎年少しずつ試し蒔きするのもおすすめです。
まとめ
ズッキーニは、見た目の成長よりも中のタネの成熟が遅いため、早めの準備としっかりした管理がカギになります。適切なタイミングで採種果を育て、追熟・乾燥・保存までしっかり行えば、自家採種は決して難しくありません。
来年は、自分で採った種から育つズッキーニで、またおいしい夏を迎えましょう!