自家採種 野菜栽培

かぼちゃの自家採種の方法|初心者でもできる種採りを解説します!

2025年5月11日

この記事では、家庭菜園や自然栽培を実践されている方に向けて、カボチャの種採りについてわかりやすくご紹介します。カボチャは育てるだけでなく、種を採って次の年にまた楽しむことができる野菜ですが、実はちょっとした工夫が必要です。特に交雑の問題や品種選びのポイントなど、初めての方でも失敗しないための知識をまとめました。

種採りの概要

カボチャはウリ科の植物で、日本カボチャ、西洋カボチャ、ペポカボチャなど種類もさまざまです。種採りに適しているのは、固定種や在来種といった、代々同じ形質を引き継ぐ品種です。カボチャは交雑しやすいため、しっかり対策をして育てましょう。

  • 自家採種の時期:8月〜12月(品種や地域によって前後します)
  • 種採りの流れ:完熟した実を使い、洗浄・乾燥・保存のステップを経る
  • 実から取れる種の数:中サイズのカボチャ1個から30〜100粒程度
  • 種採りに適した品種:固定種・在来種(例:日本カボチャ、西洋カボチャの一部、バターナッツ、日向カボチャなど)

カボチャの種採りのポイント

カボチャの交雑を防ぐために隔離栽培を

カボチャは虫が花粉を運ぶため、異なる品種同士が交雑しやすい野菜です。例えば日本カボチャと西洋カボチャを同時に育てると、翌年育てた種からは思わぬ形や味の実ができることもあります。確実に種を残したい場合は、1品種だけを育てるか、空間的に隔離して育てるようにしましょう。

雌花と雄花の違いを知っておこう

カボチャは1つの株に雄花と雌花が咲きます。雌花が多ければ実も多くなりますが、固定種は一般的に雄花が多く雌花が少なめです。しっかりと実をつけさせるには、タイミングを見ながら人工授粉をしてあげるのも一つの方法です。

カボチャの自家採種のやり方

実を選ぶ

食べて「おいしい!」と思ったカボチャの中から、形が良く甘みの強かったものを選びましょう。スーパーなどで買った実からでも、気に入ったものがあれば試してみる価値はあります。固定種であれば、収穫後にしばらく保存していても、種が完熟していれば十分発芽します。

種を取り出す

普通に料理で使うときに、スプーンでワタごとすくい取ります。バターナッツ南瓜のようにぬめりが強い種は、ザルに入れて流水でよく洗う必要があります。

種を選別する

洗った種は水に浮かべ、浮いた種を使うのが基本です。カボチャの場合、浮く種でも充実していることがあります。ペラペラで薄いもの、小さすぎるもの、包丁で傷がついたものは除きましょう。選別に迷ったら、明らかに悪いもの以外はあまり神経質にならずとも大丈夫です。

種を乾燥させる

水をしっかり切った後、新聞紙の上などで陰干しします。乾燥させた後に、さらに天日で半日干すと、表面の薄皮がむけやすくなります。ネットに入れてこすれば簡単に剥がすことができ、発芽抑制物質を除去する効果も期待できます。

種を保存する

乾燥後は、乾燥剤を入れた密閉容器に入れて冷蔵庫で保管しましょう。保存状態がよければ、数年間使用可能です。種まきの時期には忘れずに取り出しましょう。

カボチャの自家採種Q&A

Q:市販のカボチャからでも種は取れますか? A:市販品の多くはF1品種(交配種)なので、翌年に同じような実ができるとは限りません。安定した品質を求めるなら固定種がおすすめです。

Q:交雑してしまった種でも育てられますか? A:育てることはできますが、元の品種とは違った形質になる可能性が高いです。交雑を防ぎたいなら隔離栽培が大切です。

Q:未熟な種を蒔いても発芽しますか? A:基本的には完熟した果実から採った種が理想ですが、収穫後にしばらく置いて追熟されたものなら、登熟が進み発芽することがあります。実際、春先に保存していた日向カボチャの種を急きょ採って蒔いたところ、温度管理と水やりを丁寧に行うことで、高い発芽率を得られたという例もあります。

まとめ

カボチャの自家採種は、ちょっとした手間と工夫が必要ですが、毎年自分の手で育てた種から新しい命が育つ喜びは格別です。バターナッツや長カボチャ、日向カボチャのような珍しい品種も、意外なきっかけから栽培が始まることもあります。料理のついでに気軽に採種して、家庭菜園をもっと楽しんでみてください。

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