「トウガラシの種ってどうやって採ればいいの?」「辛さで手が荒れないか心配…」そんな疑問を持っている方へ、今回はトウガラシの自家採種方法をご紹介します。
自分で育てたトウガラシから種を採ると、翌年も同じ品種を楽しむことができます。ちょっとしたコツを覚えるだけで、誰でも簡単に良い種が採れますよ。
目次
トウガラシの種採りの概要
- 自家採種の時期:10月頃(霜が降りる前)
- 自家採種の方法:樹に付けたまま完熟させてから収穫
- 採れる種の量:1つの実から数十粒
- 自家採種に適した品種:万願寺とうがらし、鷹の爪、弥平とうがらし、カイエンペッパー
トウガラシの種採りのポイント
種はF1種ではなく固定種を!
種には「F1(エフワン)品種」と「固定種」があります。F1品種は、一代限りの交配によって作られた品種で、見た目や収穫量がそろいやすいという特徴がありますが、次の年に同じ性質の野菜ができるとは限りません。
一方、固定種や在来種は、代々同じ性質を受け継ぐので、自家採種に向いています。毎年安定したトウガラシを育てたいなら、最初から固定種を選ぶのが安心ですよ。
手袋・メガネでしっかりガード!
辛い成分(カプサイシン)は手や目に付くと大変です。種採りの作業をする際は必ず手袋をし、メガネやピンセットも活用すると安心です。
トウガラシの自家採種のやり方
1. 完熟まで枝につけておく
トウガラシは赤く色づいてからが完熟です。できるだけ長く枝につけたままにしておくことで、種がしっかり育ちます。
2. 実を切って種を取り出す
辛味成分があるので、手袋をして慎重に行いましょう。
万願寺唐辛子のような青いまま収穫する場合でも、完熟して赤くなってから収穫します。収穫後は軒下などの日陰で10日から2週間ほど追熟させ、果実の表面がしわしわになったら包丁で切って種を取り出します。白く丸い種子が見えたら、丁寧に取り分けましょう。
3. 水に浮かべて選別
水に浮いた種は空洞で発芽しないため、捨てます。沈んだ種を選びましょう。
4. 乾燥
取り出した種子は水洗いし、紙の上に広げて乾燥させます。風通しが良く、日が当たる場所で10日以上乾かし、夜は屋内に取り込みましょう。水気をしっかり取り、メッシュ袋やタオルで包んでおくのもおすすめです。
5. 保存
しっかり乾燥したら封筒などに入れ、さらに乾燥剤と一緒に缶に入れて冷蔵庫や冷暗所で保存します。
6. 発芽試験
翌年使う前に試しておくと安心です。
トウガラシの自家採種Q&A
Q. F1品種のトウガラシでも種は採れる?
A. 採ることはできますが、翌年に同じ形や辛さになるとは限りません。品質が安定しないため、自家採種には固定種をおすすめします。
Q. 水に浮いた種は使えませんか?
A. はい、基本的に中が空っぽで発芽しないので、浮いた種は捨てましょう。
Q. ピーマンと近くで育てると交雑しますか?
A. 同じ仲間なので、交雑の可能性があります。トウガラシの種を採りたい場合は、ピーマン類とは距離を離して育てましょう。
まとめ
トウガラシの自家採種は、完熟させることと乾燥をしっかりすることが大事です。作業時は辛味成分への対策も忘れずに。自分で採った種から育てたトウガラシは、育てる楽しみもひとしおですよ。
万願寺唐辛子や一味唐辛子づくり、さらには味噌作りと、収穫後の楽しみもどんどん広がるトウガラシ。ぜひ今年の秋は、自家採種にもチャレンジしてみてください!